学校薬剤師の役割は?薬剤師を目指すなら知っておきたい仕事内容

こんにちは、ホウライスタッフです。

皆さんは「学校薬剤師」と聞いて、どんなお仕事を想像しますか?

病院や薬局で薬を調剤することが薬剤師の仕事じゃないの?と思う方もいるのではないでしょうか。薬剤師は薬局の外でも活躍する場面があります。

そこで今回は、あまり知られていない「学校薬剤師」のお仕事についてお話しましょう。

▼ この記事の目次

学校薬剤師になるためには

学校薬剤師とは、「生徒の学習する環境を、検査して指導・助言をする薬剤師」のことを言います。

学校保健安全法によって、日本全国の幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校に1名以上の学校薬剤師を置くことが定められています。

学校薬剤師は薬剤師免許があれば誰でもなることができます。しかし、薬剤師免許以外の条件として、

  • 教育にふさわしい人間性を持つ
  • 教育に正しい理解を持つ
  • 職務に必要な知識の研鑽

といった、学校薬剤師にふさわしい社会的経験や知識を有することが求められます。

学校薬剤師の仕事内容とは

学校薬剤師の主な仕事内容は「定期検査」です。

学校環境衛生(換気、採光、照明など)を維持・管理するための指導を行います。 主な検査内容は…

  • 教室等の環境検査

室内の換気及び温度・湿度、学習に適した採光及び照明、騒音の検査

  • 水質検査

飲料水、水泳プールなどの水質検査

  • 排水の管理

雨水の排水溝などに問題がないか

  • 学校の衛生管理

清掃、トイレの管理、ごみ処理、ネズミや衛生害虫対策などが適切に行われているか

  • 薬品類の管理

保健室の医薬品、理科室の薬品、プールの消毒液などが適切に管理されているか

  • 感染症・食中毒の予防

などなど。学校のありとあらゆる場面に携わる仕事であることがお分かりいただけると思います。

学校薬剤師と保健指導・薬事教育

2009年に「学校保健安全法及び学校保健安全法施行規則」が施行され、学校環境衛生だけでなく、児童生徒の健康相談や保健指導も行うことと定められました。

保健指導というのは、

  • 医薬品が適正に使用されるための啓発活動
  • 薬物乱用防止活動
  • 飲酒や喫煙に関する啓発活動

などがあります。

「小学校や中学校に知らない人が来て、薬物乱用防止の話をしていたな…」なんて薄っすら記憶がある方もいるのでないでしょうか。

薬による健康被害を未然に防ぎ、大人に成長してからも健やかな生活を送ることができるように、薬事教育や啓発活動をおこなっています。

参考:公益財団法人日本薬剤師会「学校薬剤師とは」2020年11月1日閲覧

給食検査のようすを見てみよう!

先日、地域の小学校で「給食の検査」を行いました。食器がきれいに洗われているかの検査です。

食器に汚れが残っていると菌が繁殖し、集団食中毒などの原因となってしまいます。

夏場などは食中毒が発生しやすく、菌が死滅する正しい温度で調理が行われているかも確認します。こちらは、脂肪が落ちているかの検査です。

食器に脂肪が付いていればオレンジ色に発色します。

発色はなさそうなので、しっかり食器を洗えているということが確認できます。

学校薬剤師の体験学習はできる?

薬剤師というと「ずっと薬局の中にいそう」と思われがちですが、こうして学校に行ったり町内会でお薬の正しい飲み方の指導をしたりと、薬局の外で行うお仕事もたくさんあります。

ホウライの実務実習では、薬学生の皆さんに学校薬剤師に同行してもらい、検査を手伝っていただくこともあります。

薬局内での調剤業務や座学だけではわからない、より地域に密着した薬剤師業務を体験することができます。

みなさんの近くにも、ホウライの薬剤師が登場することもあるかもしれません♪