薬剤師が主人公の漫画が人気ということもあり、薬剤師を目指す学生がじわじわと増えているようです。

そこで今日は、薬剤師を目指すうえで知っておきたい「薬局実務実習」についてお話します。

薬学生の実務実習の期間

机の上に処方箋と薬

2006年から薬学教育が6年制になり、5年次に薬局で11週間・病院で11週間の実務実習が必須となりました。

2019年度には薬学教育モデル・コアカリキュラムと呼ばれる養成プログラムが制定されました。薬学生は、座学で得た知識を医療現場で発揮できるように、より実践的な技能を身につけることを目標にして学んでいきます。

薬学生の皆さんは、学内で行われる実務実習事前学習(5週以上)を受けたあと、薬学共用試験(CBT、OSCE)に合格してはじめて実務実習に参加することができます。

薬局実務実習で修得する内容

薬局実務実習は11週間です。保険調剤や医薬品の管理、情報提供などの基本的な知識・技能を修得しながら、薬局の社会的な役割や責任、地域医療との関わりについて理解を深めます。

実務実習で修得する項目を下にまとめました。

薬学臨床の基礎 早期臨床体験 ※原則2年次修了までに大学で修得
臨床における心構え
臨床実習の基礎
処方箋に基づく調剤 法令・規則等の理解と遵守
処方箋と疑義照会
処方箋に基づく医薬品の調製
患者・来局者応対、服薬指導、患者教育
医薬品の供給と管理
安全管理
薬物療法の実践 患者情報の把握
医薬品情報の収集と活用
処方設計と薬物療法の実践(処方設計と提案)
処方設計と薬物療法の実践(薬物療法における興亜と副作用の評価)
チーム医療への参画 医療機関におけるチーム医療
地域におけるチーム医療
地域の保健・医療・福祉への参画 在宅(訪問)医療・介護への参画
地域保健(公衆衛生、学校薬剤師、啓発活動)への参画
プライマリ・ケア、セルフメディケーションの実践
災害時医療と薬剤師

参考:一般社団法人薬学教育協議会「薬学実務実習の概略評価の例示について(補足)2020~

どんなことを学ぶのかが分かったところで、ホウライでの実務実習の様子を見てみましょう。

漢方薬の棚未来の薬剤師を育てる!薬学生の漢方実務実習編

薬局実務実習のリアルな現場に潜入!

ホウライの薬局では毎年数名の実習生を受け入れています。今年はヒスイ調剤薬局で2名の実習生を受け入れました。

調剤の体験はもちろん、患者様への服薬指導も担当させていただきます。

患者様と会話すると、座学だけでは解決できない問題も出てきます。実務実習は現場を肌で感じることができる良い機会なのです。はじめは心配に思っていた患者様との会話も、終盤には冷や汗少なめに見守ることができるようになりました。

調剤以外にも実務実習がある

薬局を飛び出して、近くの小学校の学校薬剤師業務にも同行します。

こちらは教室内の照度をはかっている様子です。地域の人が安全安心、そして健康に過ごせるような環境を守ることも、私たち薬剤師にとって大切なお仕事です。

また、薬剤師の仕事は薬をお渡しするだけではありません。どうすれば患者様によりくつろいで頂けるか、どうすれば気軽に立ち寄って頂けるか、店内のディスプレイやOTC商品陳列なども考えます。

この日はクリスマスツリーの飾りつけもしました。

薬局実務実習を終えて

実務実習とはいえ、11週間もいるとすっかり店舗の一員になります。

業務しながらの指導なので十分な時間を確保することが難しく、完璧な指導にはほど遠かったと思いますが、学校で学んだことが「薬局」という場所でどんな仕事とリンクしているのかわかってもらえたらと思います。

そして、薬局の仕事って面白いって思ってもらえたら嬉しい、という気持ちで実習指導を行っています。

薬剤師としてデビューするには1年数か月後の国家試験を突破する必要がありますが、きっと立派な薬剤師になって社会に貢献してくれると思います。

国家試験を受験される全国の薬学生の皆さんにも、薬剤師の先輩としてエールと希望を送りたいと思います。フレーフレー!!

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