水虫は大人だけでなく子どもも感染します。
「自覚はないのに水虫と診断された」「市販薬を使ったら悪化した」というケースが少なくありません。
そこで今回は、水虫の主な症状と8つの水虫対策についてお話します。
水虫の主な原因
水虫とは、カビの一種である白癬(はくせん)菌という皮膚糸状菌が原因となって発生する感染症です。
白癬菌は、温かくジメジメした高温多湿の環境を好みます。ヒトの毛髪や爪、皮膚の角質層の成分であるケラチンというタンパク質を栄養源としています。
足に付着した菌は、石けんなどで十分に洗い流されないと繁殖します。また、皮膚とともにはがれ落ちた菌を、素足や素手で触れることで感染する場合もあります。
水虫の種類と主な症状
主に足にできる水虫は、小水疱型・趾間型・角質増殖型・爪白癬の4つに分類されます。
「水虫=皮膚のかゆみ」と思われがちですが、足の水虫(足白癬)の内、かゆくなるのはわずか10%程と言われています。
小水疱型(しょうすいほうがた)または汗疱型
発生場所:足の裏、土踏まず周辺
症状:かゆみが強く、足の裏に小さな水ぶくれが生じ、水ぶくれが破れると皮がむける。
趾間型(しかんがた)
発生場所:足の指の間
症状:赤くなって皮がむけたり、白くふやけたりする。
角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
発生場所:足の裏、かかとなど
症状:皮膚が乾燥してゴワゴワと硬くなったり、ヒビやアカギレを伴うことがある。
爪白癬(つめはくせん)
発生場所:足の爪
症状:爪の先端・表面・側面・付け根などが変色したり、ポロポロと欠ける
歩行すると痛みを感じる場合もあり、一度発症すると治りづらいため早めの治療が必要である。
水虫は手に感染するって本当?
手にできる水虫は手白癬(てはくせん)と呼ばれます。白癬菌による水虫症例のうち、わずか1%程度です。
手白癬は足白癬(足の水虫)に触れたり、白癬菌を持つ人や動物などに触れることで感染します。
代表的な症状として、プツプツした小水疱が表れたり、皮膚の角質層が硬くなる、皮がむけるなどの症状がみられます。かゆみはあるものの強くないのが特徴です。
子どもも水虫になるって本当?
子どもも水虫を発症することがあります。手足口病など水疱がみられる病気との判別が難しいため、水虫を疑われることが少ないと言われています。
かゆみを伴う水虫の場合、子どもが無意識に掻いてしまい傷になることがあります。
お子さんの足の裏・手・頭・股にみずぶくれや皮がむけるといった症状がみられたら、市販薬を使用する前にかかりつけの小児科や皮膚科専門医を受診しましょう。
子どもの水虫の原因は〇〇からの感染
水虫の原因となる多くの菌は、ヒトからヒトへ感染する「ヒト好性菌」です。実際に、子どもが水虫を発症する原因の7~8割は家族からの感染と言われています。
白癬菌は、はがれ落ちた皮膚の中でも生きることができます。そのため、こまめな床掃除やバスマットを使い分けるなどの衛生管理が重要です。
水虫にかかっている人、水虫が疑われる人がご家庭内にいる場合は十分に注意しましょう。
今すぐ実践してほしい「8つの水虫対策」
白癬菌は、足に付着してすぐに水虫になるわけではありません。日常生活においてしっかりと衛生管理をおこなえば、感染を予防することができます。
8つの水虫対策
- 毎日、足の裏から指まで丁寧に洗う
- 室内でもできるだけ靴下を履く
- 靴下が濡れたら、新しい靴下に履き替える
- バスマットを頻繁に洗濯し、よく乾燥させてから使用する
- カーペットやフローリングを掃除する
- 室内の湿気を取り除く
- 帰宅後は、革靴・ブーツ・ハイヒールなどの湿気を取り除く
- 温泉施設やプールなど、共用施設を利用した後も菌を洗い流す
感染が疑われるときは?
症状や状態によって適切な治療法は異なります。
すでに市販の水虫薬を使用している場合は、専門医に受診しても顕微鏡下で白癬菌を確認しづらくなり、正確な診断が難しくなるケースがあるようです。
何らかの症状がみられる場合は、自己判断で市販薬を使用せず、かかりつけの医療機関を受診しましょう。