秋の食材といえば「カボチャ」。
カボチャは風邪予防にいいと言われますが、その理由をご存知でしょうか?
今回は食べる前に知っておきたい、カボチャの栄養と健康の関係についてお話します。
カボチャの旬はいつ?
国内で栽培されるかぼちゃは、7月~8月に最盛期を迎え、食べごろの旬は9月~12月の秋から冬になります。
カボチャの種類や産地にもよりますが、一般的に、獲れたてのカボチャは水分が多く甘みは少なめです。獲れたてカボチャを2~3ヵ月ほど寝かせて追熟させることで、甘みが増していきます。
「野菜は新鮮なうちに食べる」というイメージがありますが、カボチャは逆というわけですね。
カボチャが風邪予防にいいと言われる理由は?
「カボチャは風邪予防にいい」という話を聞いたことはありませんか?
これにはカボチャに含まれるビタミンACEが関係しています。
カボチャの黄色い部分には、体内でビタミンAとして働くβ-カロテンが豊富に含まれます。β-カロテンは粘膜や皮膚の細胞を強くしたり、抗酸化作用により免疫力を高める働きがあります。
β-カロテン(ビタミンA)は、ビタミンC・ビタミンEと一緒に摂取すると、相乗効果で抗酸化作用を高めることがわかっています。これが「ビタミンACE」の働きです。
免疫力の維持は、風邪やウイルス感染を予防するうえで欠かせません。カボチャは免疫力維持に必要な栄養素が豊富なので、風邪予防にいいと言われるのかもしれません。
カボチャが美容にいいと言われる理由は?
カボチャには皮膚の細胞を強くするビタミンA、シミ対策やコラーゲンの生成を助けるビタミンCなど、美肌づくりに役立つ栄養素が詰まっています。
栄養があるのは実だけではありません。皮やヘタには食物繊維がたっぷり。便秘予防や整腸作用が期待できるだけでなく、血糖値の急上昇を抑えたり、肥満・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病に対する予防効果が認められています※1。
※1 厚生労働省「e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康」
※2 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
カボチャを食べ過ぎると皮膚が黄色くなる?
筆者が幼い頃、祖母から「ミカンを食べ過ぎると皮膚が黄色くなる」と注意されたことがあります。
これは柑皮症といい、動植物に含まれる黄色や赤色のカロテノイド色素の過食によって起こります。
柑皮症になりやすい食材
- ミカン
- カボチャ
- トマト
- ニンジン
- マンゴー
- ほうれん草
- シソの葉など
β-カロテンを多く含む食品の過剰摂取を中止することで、自然に症状が改善すると言われています。ただし、腎臓疾患等の場合を除きます。カロテンが多い食品を食べていないのに皮膚が黄色くなったり、黄色が濃くなった場合は早めにかかりつけの医療機関に相談しましょう。
栄養素を逃がさないおすすめの調理方法
カボチャに含まれるβ-カロテンは、熱に強く油に溶けやすい脂溶性ビタミンです。油と一緒に摂取すると効率よく栄養素を取り入れることができます。
水溶性ビタミンであるビタミンCは、熱に弱く加熱すると破壊されてしまいます。しかし、カボチャの場合は、豊富なデンプンや食物繊維がビタミンCを包み込み、加熱してもビタミンCが壊れにくい特徴があります。
水溶性・脂溶性ビタミンの両方を逃がさないために、煮込み料理、お味噌汁、ポタージュスープで食べるとよいでしょう。
使い勝手バツグンの「坊ちゃんかぼちゃ」
一人暮らしや少人数のご家庭には、手のひらサイズの「坊ちゃんかぼちゃ」がおすすめ。坊ちゃんカボチャはしっとりホクホクで、黄色が濃く甘みもたっぷり。
我が家の定番は、かぼちゃのひき肉あんかけ。調理方法は簡単なので作り置きにも便利です。ひき肉で動物性タンパク質も同時にとれるので、お子さまがいらっしゃるご家庭にもおすすめですよ。
カボチャはアレンジ自由自在の万能野菜。お家時間が増えた今だからこそ、栄養たっぷりなカボチャ料理に挑戦してはいかがでしょうか?