サンドイッチ

こんにちは、ホウライスタッフです。

自宅で自炊したり、テイクアウトやデリバリーを利用する機会が増えたら気をつけていただきたいのが「食中毒」です。

クーラーのきいた涼しい室内でも、調理や保存方法を誤ると食中毒を引き起こすことがあります。

今回は、「食中毒になりやすい食べ物&食中毒予防の3原則」とついて説明します。

▼ この記事のもくじ

食中毒になりやすい時期

引用:平成30年 東京都食中毒発生状況(確定値)

食中毒が最も発生しやすいのは夏場の7~9月です。

食中毒の原因となる細菌の多くは、室温約20℃で活発に動き始め、35~40℃で最も増殖しやすいとされています。

細菌は湿気もたいへん好みます。そのため、湿度と気温が上昇し始める梅雨時期の6~7月も食中毒の発生率が高まります。

食中毒の大敵は「生肉・半生肉」

牛や豚などの肉類には、腸管出血性大腸菌やサルモネラといった病原性の細菌が付着しています。

豚の生肉を食すと、E型肝炎ウイルスや菌による重い食中毒が発生する危険があるとして、食品衛生法に基づき「豚のお肉や内臓を生食用として販売・提供すること」が禁止されています(平成27年)

豚肉以外にも、牛、イノシシ、シカなどの動物も同様に食中毒の発生リスクが非常に高いです。

生肉や生焼けの肉を食べないように十分注意し、中心部までしっかりと加熱調理を行いましょう

食中毒を起こしやすい食べ物

食中毒の予防には、「食中毒を起こしやすい食べ物」を避けることが重要です。

十分に加熱していない卵・肉類

生卵、レバ刺し、牛肉のたたきなど、生肉や加熱が不十分な半生肉はサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌による食中毒の原因となります。

サルモネラ菌は食後6~48時間で、吐き気、腹痛、下痢、発熱などの症状があらわれます。

腸管出血性大腸菌は食後12~60時間で激しい腹痛、下痢、血便などの症状があれわれ、症状が悪化すると死に至るケースもあります。

生鮮魚介類(特にカキを含む二枚貝)

生の魚介類は腸炎ビブリオ菌による食中毒の原因となります。

また、カキ・アサリ・シジミなどの二枚貝はノロウイルスの感染原因となりやすく、ノロウイルスに汚染された水道水を飲むだけで感染することがあります。

腸炎ビブリオ菌は食後4~96時間で、ノロウイルスは食後1~2日で、激しい腹痛や下痢の症状があらわれます。

生野菜サラダ

十分に加熱されていない生野菜は、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌による食中毒の原因となることがあります。

カンピロバクターは食後2~7日で腹痛、下痢、吐き気、発熱、筋肉痛などの症状があれわれます。

腸管出血性大腸菌は食後12~60時間で激しい腹痛、下痢、血便などの症状があれわれ、症状が悪化すると死に至るケースもあります。

手作り弁当・おにぎりなど

手作りのおにぎりやサンドイッチなど、加熱調理後に手作業が行われる食べ物は、黄色ブドウ球菌による食中毒の原因となることがあります。

黄色ブドウ球菌は、食後30分~6時間で腹痛や吐き気などの症状があらわれます。

食中毒を予防する3大原則

液体石けん

食中毒は不衛生な食品管理や、人の体力の低下などの条件が重なることでも起こりえます。

では、どうすれば食中毒を防ぐことができるのでしょうか?

細菌性の食中毒を予防する「3つの大原則」を見てみましょう。

細菌を食べ物に「つけない」

私たちの手には多くの雑菌が付着しています。

調理前後・食材を取り扱う前後・食事の前後などは、必ず石鹸による手洗いをおこなってください。

調理の際は、生もの用と調理用で器具を使い分けることも予防策として有効です。

食品を保管する際は、他の食品から細菌がつかないようにラップや密封容器を使用しましょう。

付着した細菌を「増やさない」

細菌の多くは10℃以下(一般的な冷蔵庫の温度)で増殖が遅くなり、-15℃以下(一般的な家庭用冷凍庫の温度)では停止すると言われています。

低温状態で保存することで、食品に付いた細菌の増殖を防ぐことができます。

調理の直前まで、冷蔵庫や保冷剤を入れたクーラーボックスの中で保存しましょう。

付着した細菌を「やっつける」

肉を焼く

多くの細菌は加熱処理によって死滅します。

肉・魚類はもちろん、できる限り野菜も加熱して食べることを心がけましょう。

特に肉類や貝類は食中毒のリスクが高いため、中心部まで十分に加熱します。

まな板や包丁などの調理器具は、洗剤で洗ったあと、熱湯等による消毒も効果的です。

食中毒を予防する正しい加熱調理法

厚生労働省が推奨している加熱の仕方は「中心部まで75度で1分以上」

わたしたち薬剤師は、学校薬剤師として学校給食の検査などを行っています。

給食の安全管理に関するマニュアルの中に、加熱処理に関する規定がしっかりと明記されています。

調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を校正された温度計で3点以上測定し、全ての点において75℃(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃)以上に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける。

(社)日本食品衛生協会「調理施設の衛生管理」2009年初版

豚肉や牛肉に関わらず、正しい加熱調理法を知っておくと、ご家庭での食中毒リスクを減らすことができます。

テイクアウトやデリバリーの注意点は?

最近人気があるテイクアウトや宅配にも食中毒の危険が潜んでいます。

選ぶ・保存する・食べるのステップでできる、「食中毒対策と注意点」をみてみましょう。

食中毒リスクの高い食品を避ける

食中毒を起こしやすい食べ物」で紹介している、食中毒の危険性がある食品はできるだけ避けましょう。

とりわけ注意したいのは、魚介類や生野菜サラダ、「レアステーキ」といった生焼けの食品等です。

テイクアウトしたものを自宅や職場で食べる場合は、電子レンジやフライパンで中心までしっかりと再加熱しましょう。

食品を購入したらすぐに食べる

テイクアウトやデリバリーで注文したものは、移動している間にも、食中毒の原因となる細菌が増殖してしまう可能性があります。

購入後は、長時間持ち歩いたり、室内に放置しないようにしましょう。

すぐに消費できない場合は、冷蔵庫や保冷剤入りクーラーボックスへ入れ、できるだけ早めの消費を心がけます。

加熱済みの食品は、電子レンジなどで中心まで再加熱する方がよいでしょう。

シェアする時は「取り箸」を使う

通常、食中毒は人から人にうつることは滅多にありません。

しかし、O157・ノロウイルス・赤痢菌などは感染力が強く、人から人へ感染することがあると言われています。

大人数で取り分けて食べる際は、次のことに注意が必要です。

  • 直箸をやめて、取り箸を使う
  • 取り皿や取り箸は、生もの用・それ以外用で使い分ける
  • 取り皿の使いまわしは避けて、使い捨ての紙皿等を利用する
  • 食事前に、しっかり手洗い・消毒を行う

食中毒が疑われるときは?

食中毒の主な症状として、急激な吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などがあります。

下痢や吐き気は、体内に侵入した細菌を外へ出そうとする「防御反応」です。

自己判断により、市販の下痢止めや吐き気止めを使用せずに、速やかにかかりつけの医療機関を受診しましょう。

また、食中毒が疑われる者を介助する場合は、吐しゃ物や汚物による二次感染に注意して衛生管理を徹底しましょう。

参考:
農林水産省ホームページ「食中毒の原因と種類」2020年8月18日閲覧
内閣府「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」政府広報オンライン,2020年6月26日閲覧
厚生労働省ホームページ「お肉はよく焼いて食べよう」,2020年6月26日閲覧