
「ブルーベリーは目に良い」とよく言われますが、ブルーベリー以外にも目の機能維持に良いとされる食材がたくさんあります。
そこで今回は、「ブルーベリー以外の目に良い食べ物」と「効果的に栄養素を摂取する方法」についてご紹介します。
▼ この記事の目次(お急ぎの方はこちら)
目が疲れる主な原因
目には、毛様体筋と呼ばれる筋肉があります。
毛様体筋はスマホ画面など近くを見るときに緊張(収縮)し、遠くをみるときに緩みます。
パソコンなど近くのものを長時間見続けたり、度数の合わないメガネやコンタクトを使用すると、毛様体筋の緊張状態が続いて血流が悪くなります。これが疲れ目の主な原因です。
ほかにも、乾燥や照明の明るさといった環境要因、生活習慣、ストレスによる原因も考えられます。
疲れ目の主な原因
パソコン・テレビ・携帯電話を長時間見ている
目が乾燥しやすい環境にある
老眼・近視・遠視・乱視などにより、ピントを合わせづらい
メガネの度数が合っていない感じがする
生活習慣病が疑われる症状がある
睡眠不足やストレスを感じている
ブルーベリーが目にいいと言われる理由

ブルーベリーには、アントシアニン(ポリフェノールの一種)が豊富に含まれています。
アントシアニンは、視神経の血流を促進して毛様体筋の緊張をほぐす働きや、目の網膜や視神経の細胞を保護する働きがあります。
これらの作用により、視力低下や疲れ目の改善が期待できると言われています。
アントシアニン以外にも目の疲労を軽減する栄養素がたくさんあります。具体的な食材をご紹介しましょう。
ビタミンA ドライアイ予防、粘膜の潤い保持

ビタミンAの主成分に「レチノール」があります。
レチノールは目の角膜にうるおいの層をつくり、乾燥から保護する働きがあります。潤いを保持することでドライアイの予防や、粘膜の抵抗力低下による感染症予防が期待されています。
また、網膜には「ロドプシン」というタンパク質が存在します。
ロドプシンには視神経に信号を送る役割があり、不足すると目が見えにくくなったり、目が暗さに慣れない夜盲症を起こすことがあります。
ビタミンAはこのロドプシンの再合成を促し、目の老化予防を助けるとされています。
ビタミンAが含まれる主な食品 |
肉・魚類:豚レバー、鶏レバー、卵黄、うなぎ、アユ(鮎)、あん肝 など 野菜類:人参、カボチャ、パプリカ、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、パセリ など |
ビタミンAを逃がさない調理法
ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性。炒め物や揚げ物の調理法がおすすめです。
ビタミンAの過剰摂取は、肝機能障害などの副作用を引き起こすおそれがあります。妊娠期の女性は胎児へ悪影響を与えることが報告されています。
サプリメント等を使用する場合は、かかりつけの医療機関へ相談して正しい用法用量を守りましょう。
ビタミンB群 筋肉疲労の改善

ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・B12など)は、豚肉や乳製品などに多く含まれます。
ビタミンB群は糖質や脂質の代謝を促し、エネルギーに変える働きがあります。この働きにより、筋肉疲労の修復や細胞の再生を助けてくれます。
ビタミンB1やビタミンB12は、視神経を健康に保つために欠かせません。
ビタミンB2やビタミンB6は細胞の新陳代謝を活性化させ、粘膜などの再生を助けると言われています。
ビタミンB群が含まれる主な食品 |
肉・魚類:豚肉、レバー、卵、うなぎ、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、しじみ など 野菜・豆類:モロヘイヤ、まいたけ、バナナ、納豆、豆腐 など その他:玄米、牛乳、カマンベールチーズ、アーモンド、海苔 など |
ビタミンBを逃がさない調理法
調理による損失が比較的少ない栄養素ですが、水に溶けやすい性質があります。
栄養素を余すことなく摂取するには、蒸し料理やスープがおすすめです。
また、ビタミンBは複数のビタミンが互いに作用しながら働きを強めるという特徴があります。ビタミンA・C・Eを含む食品と一緒に摂取してみましょう。
ビタミンC 充血、白内障の予防
ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの合成に欠かせない栄養素。
目の水晶体には、ビタミンCが多く含まれています。ビタミンCを補うことで、目の毛細血管を健康に保ち、疲れ目や充血の予防を助けることができます。
また、水晶体の酸化を防ぐことで白内障予防も期待されています。
ビタミンCが含まれる主な食品 |
野菜類:ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、パセリ など 果物類:イチゴ、柿、キウイ、グレープフルーツ、グアバ、ザクロ、レモン など |
ビタミンCを逃がさない調理法
ビタミンCは水に溶けやすい水溶性です。食材を洗いすぎないように注意しましょう。
煮込み料理やスープ料理にするときは、ゆで汁や煮汁ごといただくと良いでしょう。
ビタミンCは体の中にたまることがなく、時間が経つごとに排出されてしまいます。一度にまとめて摂取するよりも、こまめに毎日摂ることが大切です。
ルテイン 白内障、黄斑変性の予防

ルテインは目の水晶体や黄斑部に多く存在します。
ルテインには、目に刺激を与えるとされるブルーライトを吸収したり、酸化防止作用により白内障や黄斑変性などの眼病リスクを軽減させる働きがあります。
残念ながら、ルテインは人間の体内で作り出すことができません。そのため、食品やサプリメントで効率よく摂取る必要があります。
ルテインを含む主な食品 |
野菜類:ほうれん草、ケール、モロヘイヤ、小松菜、チンゲン菜、セリ、シソ など 果物類:プルーン、アンズ、アボカド、キウイ、クランベリー、スモモ など |
ルテインを逃がさない調理法
ルテインは油に溶けやすい脂溶性のため、炒め物などがおすすめです。
生のままで食べる場合は、ドレッシングや、オリーブオイルなどの油分を加えると良いでしょう。
アスタキサンチン ピント調節機能の維持

アスタキサンチンとは、サケやエビなどに含まれる赤色の天然色素です。
アスタキサンチンは強力な抗酸化作用があり、目のかすみや加齢による眼病の予防を助けると言われています。
目の奥深くに入り込む性質によって、毛様体筋の血流改善や、筋肉疲労の低減が期待できます。
アスタキサンチンを含む主な食品 |
エビ、カニ、鮭、マス、イクラ など |
アスタキサンチンを逃がさない調理法
アスタキサンチンは、エビの殻や鮭の皮にも豊富に含まれます。エビの唐揚げなど、食材を丸ごと食べられる料理がおすすめです。
また、ビタミンCと一緒に摂取する効果が持続しやすいとされています。ビタミンCが豊富な食材を加えてみましょう。
※アレルギーをお持ちの方は絶対に摂取しないようご注意ください。
緑内障予防・網膜機能の改善に「DHA」

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚などに含まれる多価不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸には、動脈硬化や高血圧を予防する作用があるとされています。人間の体内で合成できないため、食事やサプリメントで取り入れる必要があります。
目の網膜や視神経には多くのDHAが存在し、視神経の伝達や、毛細血管の血流を促進する働きがあります。
DHAを補うことで、視力低下やドライアイ、緑内障の予防が期待できると言われています。
DHAを含む主な食品 |
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マグロ、ブリ、サンマ、サバ、鮭、イワシ、アジ、ウナギ、シシャモ、ホッケ など |
DHAを逃がさない調理法
DHAはサラサラしていて水や油に流出しやすい性質があります。焼き魚にすると約2割、揚げ物にすると約5割が流出するという報告もあります。
DHAを効果的に摂取するには、刺身などの生食がおすすめ。生魚が苦手な場合は、コンビニでも手に入るサバ缶、ツナ缶、鮭缶などを活用しましょう。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)