「ブルーベリーは目に良い」とよく言われますよね。実はブルーベリー以外にも、目の機能維持に良い食材があることをご存知でしたか?

そこで今回は、目にいいとされるブルーベリー以外の食べ物をご紹介します。

目が疲れる主な原因

目には毛様体筋と呼ばれる筋肉があります。毛様体筋はスマホ画面など近くを見るときに緊張(収縮)し、遠くをみるときに緩みます。

パソコンなど近くのものを長時間見続けたり、度数の合わないメガネやコンタクトを使用すると、毛様体筋の緊張状態が続いて血流が悪くなります。これが疲れ目の主な原因です。

ほかにも、乾燥や照明の明るさといった環境要因、生活習慣、ストレスによる原因も考えられます。

疲れ目の主な原因

  • パソコン・テレビ・携帯電話を長時間見ている

  • 目が乾燥しやすい環境にある

  • 老眼・近視・遠視・乱視などにより、ピントを合わせづらい

  • メガネの度数が合っていない感じがする

  • 生活習慣病が疑われる症状がある

  • 睡眠不足やストレスを感じている

ブルーベリーが目にいいと言われる理由

目の構造断面図

ブルーベリーには、アントシアニンと呼ばれるポリフェノール(青紫色の天然色素)が含まれています。

アントシアニンはアンチエイジングを助ける抗酸化作用や、視神経の血流を促進して毛様体筋の緊張をほぐす働きがあります。この作用により、疲れ目や視力の回復が期待できると言われています。

アントシアニン以外にも、目の疲労を回復するとされる栄養素があります。具体的な食材をご紹介しましょう。

【ドライアイに】ビタミンAが多い食材

かぼちゃの煮物

目の乾燥はドライアイ(乾燥性角結膜炎)や、粘膜の抵抗力低下による感染症の原因になります。

ビタミンAの主成分であるレチノールは、目の角膜に潤いの層をつくり、粘膜を乾燥から保護する働きがあります。また、ビタミンAにはロドプシン(網膜に存在するタンパク質)の合成を促す作用があり、目が暗さに慣れない夜盲症の予防が期待できると言われています。

ビタミンAが含まれる主な食品
肉・魚類:豚レバー、鶏レバー、卵黄、うなぎ、アユ(鮎)、あん肝 など

野菜類:人参、カボチャ、パプリカ、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、パセリ など

【筋肉疲労に】ビタミンB群が多い食材

肉卵乳製品

ビタミンB群は豚肉や乳製品などに多い5大栄養素の一つです。糖質や脂質を代謝してエネルギーに変える働きがあり、目の筋肉疲労の修復や細胞の再生を助けてくれます。

特にビタミンB1、ビタミンB12は、視神経を健康に保つために欠かせません。ビタミンB2やビタミンB6は、細胞の新陳代謝を活性化させて粘膜の再生を促します。これらのビタミンBの働きを強めるために、ビタミンA・C・Eを一緒に摂取するといいでしょう。

ビタミンB群が含まれる主な食品
肉・魚類:豚肉、レバー、卵、うなぎ、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、しじみ など

野菜・豆類:モロヘイヤ、まいたけ、バナナ、納豆、豆腐 など

その他:玄米、牛乳、カマンベールチーズ、アーモンド、海苔 など

【目の充血に】ビタミンCが多い食材

目の水晶体にはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCを補うことで、目の毛細血管を健康に保ち、疲れ目や充血の予防を助けます。さらにビタミンCの抗酸化作用によって、白内障の予防も期待されています。

ビタミンCが含まれる主な食品
野菜類:ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、パセリ など

果物類:イチゴ、柿、キウイ、グレープフルーツ、グアバ、ザクロ、レモン など

【眼病予防に】ルテインが多い食材

ルテインは目の水晶体や黄斑部に多く存在します。ルテインには、目に刺激を与えるとされるブルーライトを吸収したり、酸化防止作用により白内障や黄斑変性などの眼病リスクを軽減させる働きがあります。

残念ながら、ルテインは人間の体内で作り出すことができません。そのため、食品やサプリメントで効率よく摂取る必要があります。

ルテインを含む主な食品
野菜類:ほうれん草、ケール、モロヘイヤ、小松菜、チンゲン菜、セリ、シソ など

果物類:プルーン、アンズ、アボカド、キウイ、クランベリー、スモモ など

【ピントの調節に】アスタキサンチンが多い食材

鮭の切り身

アスタキサンチンは、サケやエビなどに含まれる赤色の天然色素です。

アスタキサンチンは強力な抗酸化作用があり、目のかすみ加齢による眼病の予防を助けると言われています。目の奥深くに入り込む性質があるため、眼精疲労の原因となる毛様体筋の血流を改善したり、筋肉疲労の回復が期待できます。

アスタキサンチンは、ビタミンCと一緒に摂取すると効果が持続しやすいと言われています。

アスタキサンチンを含む主な食品
エビ、カニ、鮭、マス、イクラ など

※アレルギーをお持ちの方は摂取しないようご注意ください。

【緑内障予防に】DHAが多い食材

魚の缶詰

青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸は、血流を促進したり細胞機能を活性化させる役割があります。

DHAは動脈硬化や高血圧の予防に役立つことが知られていますが、じつは目の網膜や視神経にもDHAが存在しており、視神経の伝達を促進する働きがあります。そのため、DHAを補うことで視力低下や緑内障の予防が期待できると言われています。

人の体内で生み出せない栄養素で、食事やサプリメントで摂取する必要があります。

DHAを含む主な食品
マグロ、ブリ、サンマ、サバ、鮭、イワシ、アジ、ウナギ、シシャモ、ホッケ など
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)