医療関係に従事する方達は、絶えず何かしらの勉強をされています。

それは、医師・歯科医師・看護師・介護士などどの職種でも同じです。もちろん私たち薬剤師も同じ。

そうは言っても「どんなことを学習しているのか」は直接聞いてみないとわからないものです。

今回は認知症ケアに関するものとして、「認知症サポーター養成講座」「認知症研修認定薬剤師」を簡単に説明します。

▼ この記事の目次

認知症サポーターってなに?

認知症サポーターとは、「認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする※1」ことが主な目的です。

「サポーター」の言葉が表すように、特別な事をする人というわけではなく認知症の人の応援者として活動します。

患者様やそのご家族の相談にのったり、認知症サポーター養成講座で得た知識を生かしてアドバイスをおこないます。

認知症サポーターに求められる知識

勉強する手元

認知症サポーターになるためには、認知症サポーター養成講座を修了しなければなりません。

サポーター養成講座は、認知症の症状や診断・治療・予防などの基本知識を習得するとともに、認知症の人や、認知症介護をしている人の気持ちに対する理解を深めるものです。

基本カリキュラム
  • 認知症とはどういうものなのか
  • 中核症状(記憶障害・見当識障害・理解判断力の障害・実行機能障害・感情表現の変化)
  • 行動・心理症状とその支援
  • 認知症の診断・治療、予防
  • 認知症の人と接する時の心構え
  • 認知症介護をしている人への理解
  • 認知症サポーターにできること

認知症サポーターは誰でもなれる

認知症サポーターロゴ

認知症サポーター養成講座は、全国各地の自治体や企業・職域団体が開催しています。

特別な資格は必要なく、一般の方も受講することができます。原則として受講費は無料。受講を修了すると認知症サポーターの証である “オレンジリング” が渡されます。

国内の認知症サポーター数はなんと1,300万人以上!(令和2年12月時点)

周りに認知症の人がいたり、ご家族や地域住民を支援したいという方は挑戦してみてはいかがでしょう。

認知症研修認定薬剤師ってなに?

薬剤師の世界には「認知症研修認定薬剤師」という制度があります。

この制度は、認知症の領域において、薬に関わる専門的立場から質の高い薬物療法に貢献するだけでなく、医師・介護・福祉チームと連携して適切な対応ができるようになることを目的としています。

認知症サポーターは誰でもなることができますが、認知症研修認定薬剤師になるためは必要な資格・要件を満たしていなければなりません

認知症研修認定薬剤師になるための資格・要件

握りあう手

認知症研修認定薬剤師になるための資格・要件として、全部で11項目が定められています(令和2年度実施要項参照)※2

必須資格・要件の一部を紹介します。

  • 薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること
  • 認知症サポーターを取得していること
  • 薬剤師としての実務経験が3年以上あること
  • 日本薬局学会が指定する認知症領域のe-ラーニングを20単位以上有していること
  • 日本薬局学会が認定するワークショップで6単位有していること
  • 認知症の人への介入事例を3つ以上提出していること

など…。

「地域の健康相談役」として認知症の早期発見に努め、患者様やそのご家族の相談に応じ、薬学的な視点をふまえた助言や対応をおこないます。

薬剤師業界も「ウェブ研修会」が主流?

認知症研修認定薬剤師はもちろん、私たち薬剤師は、研修会や勉強会を通して知識の習得に励んでいます。

薬剤師のための在宅医療研修~中心静脈栄養の輸液調製~」でもご紹介しています。

例えば、先日受講した「薬剤師認知症対応力向上研修」の話。

ノートパソコンの画面と文房具

この研修は、認知症の疑いのある人の早期発見、かかりつけ医・介護施設等との連携、認知症の方の状況に応じた適切な薬学的管理などを目的としています。

いつもなら多くの薬剤師さん達と一緒に講義を受けるので、周りを見渡すと「私も頑張らななきゃ」とか「俺は出来る。頑張れ〇治郎!!」と気持ちが高まります。

ところが、最近はウェブ研修会が主流になりつつあります。

パソコン画面とにらめっこしていると少し寂しいような虚しいような…。そんな小言をいうのもつかの間。

講義中に散りばめられたキーワードに対し、すぐに反応して入力しなければならないので意外に大変。絶えず「全集中、薬の呼吸!」が必要なのです。

薬学生の皆さんは、薬剤師免許の取得を目指してがんばっていると思います。

しかし、薬剤師免許を取得した後が”本当の本番”です。

晴れて薬剤師になったら、「日々学習」と思って研鑽を積んでいってくださいね!